「親なきあと」とは

障がいのある方が未成年のうちは、親御さんが財産管理や身上監護に関する手続を行うのが通常です。就学年齢をすぎ、成人すると障がいのある方も能力に応じて、一般の企業や福祉作業所等で就労します。その際、後見制度を利用して、財産管理や身上監護に関する手続を第三者にまかせることも考えられますが、多くのケースでは親御さんが引き続き面倒をみるというのが現状です。

ところが、親御さんにも年齢的な限界があります。障がいのある子よりも長生きできれば問題もなさそうですが、普通は、親の方が子どもよりも先に亡くなります。面倒を見てきた親が先に亡くなり、残された障がいのある子が、一人でどうやって生活していくのか、それが「親なきあと」の問題です。

解決策の一つとして

この問題を解決する上で大切なことは、障がいのある子が生活していく上で必要な財産管理や身上監護に関する手続を親御さん以外の方にどのようにまかせるかということです。

まず考えられるのは、後見制度を利用するということです。もっとも後見制度の利用は、費用対効果が低く、家庭裁判所での手続きが必要なため、手続的な負担が大きいと指摘されています。また、後見制度は、財産を有する本人の生活のために限定して財産管理を認める制度であるため、障がいのある子が財産を有していなければ制度自体になじみにくいという問題があります。

そこで、後見制度よりも幅広く、財産を有する本人の生活のために限られない、財産管理を認める「家族信託」が注目されています。

障がいのあるお子さんのために、親御さんが有する一定の金銭や不動産等の管理を、比較的若い家族、信頼できる友人や知人にまかせることを通じて「親なきあと」のお子さんの毎日の暮らしを支えることができるのが「家族信託」です。

「家族信託」という枠組みの中で、法律家である行政書士を財産管理に関わらせる仕組みづくりも可能ですので、財産管理を任せる相手の負担を軽減することもできます。

福祉サービスの視点から