ある業種の建設業許可を受けている者が、他の業種の建設業許可を取得することを、業種追加といいます。たとえば、舗装工事業の一般建設業の許可業者が、土木工事業の一般建設業許可を取得する場合や内装仕上工事業の特定建設業の許可業者が、建築工事業の特定建設業許可を取得する場合などが、これにあたります。
許可区分が同じでない場合は、業種追加ではなく新規許可になります。ですので、たとえば、塗装工事業の一般建設業許可を受けている者が、とび・土工工事業の特定建設業許可を取得する場合は、新規許可になります。

業種追加のメリット

業種追加は、業務拡大のために、許可業者として施工できる建設工事を増やし、受注できる工事内容の幅を広げるところに、その意義があります。従来であれば、他社が請け負っていた工事を自社で受注することができるので、その分、売上の向上につながります。
もともと、許可を受けている業種と関連性のある業種について許可を受けることにより、シナジー効果を得られることが業種追加の最大のメリットといえます。たとえば、許可を受けている業種以外に施工している軽微な工事や付帯工事として施工している工事など関連性のある業種について、許可を受けることにより、メインの業種を増やすことができるので、集客力がアップし業績向上につながります。

許可の一本化

業種追加により、業種ごとの許可日が異なることになると、建設業許可の管理上、手続きが業種ごとにバラバラになり、その負担が増えるばかりでなく、行政手数料も余計にかかることになります。
そこで、このような事態を避けるために、「許可の一本化」という制度が認められています。業種追加の申請の際、有効期間の残っている従来の建設業許可についても同時に許可の更新申請をすることを通じて、あわせて1件の許可とすることができます。
更新日がさまざまで手続き負担が大きい場合は、許可の一本化を検討することが大切です。これにより、許認可を維持するための手間を減らすことが可能となります。

行政書士の役割

業種追加をするにあたっては、どの業種を追加するべきなのか、許可要件を充足するのか、いつ業種追加をすることが適切なのかなど、事業者が判断しなければならないことは多くあります。
行政手続を専門とする法律家である行政書士が、事業者の経営判断のお役に立ちます。