経営・管理ビザとは

経営・管理ビザは、外国人が日本に滞在して、会社を経営する場合や会社の管理職として重要なポストにつく場合に必要なビザです。外国人が日本で起業するケースや日本で既にスタートしている会社の経営や管理にたずさわるケースなど、経営者や管理職としての立場の外国人が取得できるビザです。

経営・管理ビザの許可基準

経営・管理ビザは、①事業の経営または管理に関する活動をすること、②事業所が日本国内に存在すること、③2人以上の常勤の職員が従事していること、あるいは、資本金・出資総額が500万円以上であることが許可要件であり、一定規模の事業であることが求められます。
(事業の経営または管理に関する活動)
経営・管理ビザの許可要件で最も大切なことは、申請者が、事業の経営や管理に実質的に関与しているかどうかという視点です。この点を明らかにするために、事業計画書の作成を通じて、事業開始に至る経緯も含め、事業の具体性を示す必要があります。申請者自身が、事業の運営や組織に関する意思決定を自らが行い、経営や管理を行っていると評価されなければ経営・管理ビザが許可されることはありません。この点を立証するために、申請者と事業との関わりを丁寧に検討していかなければなりません。
事業計画書の作成は、事業の内実として求められる安定性や継続性の立証にも役立ちます。事業内容に関して、ニーズやターゲット層の分析、年間の収支予測、経営方針やノウハウといったことを明らかにすることを通じて、具体性を示し、事業の仕組みを説得的に説明することで、申請者自らが事業内容を再検討することも可能になります。事業内容をしっかりと示すことにより、事業の安定性や継続性を立証することができます。安定性や継続性のない事業は、経営・管理ビザが許可される事業内容にはなり得ません。
(事業所)
事業所の要件に関しては、経営・管理する予定の事業内容によって異なります。事業を実施するうえで通常、必要と考えられる事業所が準備されていなければ、要件の充足は認められません。飲食店の経営であれば店舗は必ず必要になるでしょうし、どのような事業の経営にしろ、少なくとも事務スペースは必要になると考えられます。そのため事業の実態を肯定することができないバーチャルオフィスや月単位の短期間賃貸スペース、屋台等の施設は、経営・管理ビザで求められる「事業所」とは理解してもらえません。
(一定規模の事業)
一定規模の事業の要件に関しては、従業員を雇用するか、出資をするかのいずれかを選択することになります。通常は資本金500万円以上の会社を設立すれば、一定規模以上の事業の要件を充足します。もっとも、申請者が実質的に事業の経営を行っているかどうかを確認するために、500万円の出所を明らかにするよう求められ、事業に必要な500万円の出金記録の提出や捻出経緯の説明をする必要があります。単純に資本金を積んで会社設立をすればビザがおりるということではないことに注意しなければなりません。

行政書士の役割

経営・管理ビザの申請にあたって行政書士が果たす役割は、申請書の作成、立証資料の指図と準備以外にも、事業計画書をどのように作成して提出するかということを検討するところにあります。どのような経緯で日本で起業するに至ったかということに始まり、事業の安定性や継続性を示すために、事業内容を明確にし収益があがるような仕組みとなる事業計画書を作成しなければなりません。申請者となる外国人が日本人の経済行動を理解し、説得力ある事業計画を立てることは至難の業です。そこで、日本の経済活動に親しむ行政書士が、外国人の起業を支援する立場から、申請者の考える事業内容を理解し、事業計画書を作成し実りある経済活動となるようにするところに最大の意義があります。
日本での起業をお考えの外国人や関係者の方は、お気軽にご相談ください。